工場の事務所に勝手に入り込んだとして、無職の女(60)が先月、福岡県警に建造物侵入容疑で逮捕された。10日間以上、工場の屋根裏で寝泊まりしていたとされる。事務所卓上の書類の位置が変わっていたり、トイレットペーパーの減りが早かったりして、従業員が不審に思っていた。女は以前も、民家の押し入れに数カ月間にわたって侵入していた疑いで逮捕、起訴されて有罪となっていた。
女が寝泊まりしていたのは福岡市博多区の冷蔵設備工場。11月19日夜、この工場に隣接する事務所に侵入していたとして建造物侵入容疑で現行犯逮捕された。博多署の調べに女は「住むところもなく、食べ物を盗んで泊まる目的で10日間ほどいた」と供述したという。
工場に人がいる日中は外で過ごし、夜、錠のかかっていない裏口から戻って屋根裏へ続く階段をのぼり、侵入していたという。工場と事務所をつなぐ小窓を通って、事務所にも出入りしていたらしい。工場のお菓子をつまみ、お湯でカップめんを食べていたほか、事務所から年賀はがき約200枚を盗んで換金していた疑いもあるという。
事務所では11月10日ごろから、人が通ると反応するセンサーのブザーが頻繁に鳴るため、夜間に事務所を見回った工場経営者の次男(43)が、事務所の机の下で座り込んでいた女を見つけ、110番通報した。
工場の屋根裏は昼でも暗く、夜は真っ暗になる。天井は低く、板敷きだ。女はそんな屋根裏で経営者の家族が置いていたディズニーキャラクターのアヒルのぬいぐるみを見つけ、枕元に持ち込んでいた。経営者の女性(71)は「やっぱり女の人なんだなと思った。急に寒くなったからなのではないか。かわいそうなのでできれば衣類を拘置所に差し入れしたい」と話している。
女は2008年5月、福岡県志免町の民家の押し入れの天袋に忍び込み、数カ月にわたり寝泊まりしていたとして、住居侵入容疑で逮捕、起訴され、懲役1年2カ月の有罪判決が下されていた。(岩本美帆)